「吝嗇」という語は、リンショクと読み、金品をつかうことを極端に惜しむこと(様子)をあらわします。「けち」と同義です。
「吝嗇」と似たような意味の語に「倹約」「節約」があります。「倹約」「節約」は、無駄を省いて切り詰めるという意味であり、ふつう美徳とされます。それに対して、「吝嗇」のほうは、行き過ぎた物惜しみであって、好ましくないものとされています。
用例:「吝嗇漢」(=けちな男)「吝嗇家」「貪欲吝嗇」
「平生人には吝嗇と言われるほどの、倹約な生活をしていて、衣類は自分が役目のために着るもののほか、寝巻しかこしらえぬくらいにしている」(森鴎外『高瀬舟』)
類語:貪欲、貪婪(どんらん・たんらん)、強欲、欲張り、欲深、一文惜しみ