「振込」と「振替」の意味の違い
【振込(ふりこみ)】他人の口座にお金を入れる
【振替(ふりかえ)】同一名義の口座間でお金を移動する
私たちが銀行で行う取引のなかに、「振込」と「振替」というものがあります。似たようなことばであり、しかも取引内容もなんとなく似通っている感じもします。
「振込」というのは、ある人が他人の金融機関の口座にお金を入れること、および、他の金融機関(支店)の自己名義の口座にお金を入れることを意味します。
振込は、現金ですることもできるし(現金振込)、口座からすることもできます(口座振込)。
たとえば、AさんがATMを使ってBさんの銀行口座に現金を入金するのが現金振込、キャッシュカード(口座)で数字のお金をやりとりしたりするのが口座振込です。
「振替」というのは、帳簿上の金額の移転という意味であり、銀行の窓口取引では同じ金融機関(支店)の同じ名義の口座どおしで数字のお金を移動させることをいいます。
たとえば、Aさんがある銀行のAさん名義の普通預金口座から同じ銀行のAさん名義の定期預金口座にお金を移すことが「振替」です。
なお、「振替」には、一時的に流用するという意味もあります。
ゆうちょ銀行の場合
ゆうちょ銀行の取引の場合には、以上の用語法とは若干異なります。
ゆうちょ銀行の口座から他の金融機関の口座へ送金するときには、一般の金融機関と同じく「振込」という語を用います。
しかし、ゆうちょ銀行の口座間で送金するときには独自の用語が使われており、一般の金融機関の「現金振込」にあたるものを「払込み」と呼び、「口座振込」にあたるものを「振替(電信振替)」と呼んでいます。
「口座振替」とは
なお、「口座振込」と似たようなことばに「口座振替」というのがあります。
これは、クレジットカード利用料や公共料金などを口座から自動的に引き落としてくれるサービスであって、「自動引落し」と言われることもあります。
「振込」の使用例
- お金を振り込む
- 銀行振込
- 現金振込・口座振込
- 振込手数料
「振替」の使用例
- 普通預金から定期預金に振り替える
- 郵便振替・振替口座
- 振替預金
- 振替決済〔=現金などを受け渡しせずに帳簿上の処理で決済すること〕
- 振替休日〔=祝日が日曜日であったときに代わりに他の曜日を休日に指定すること〕
- 振替輸送〔=事故などで路線が不通になったときに他の路線やバスで乗客を輸送すること〕
- 振替所得〔=年金・雇用保険給付など、働かずに受け取る収入〕