「指す」「刺す」「挿す」「差す」の意味の違い
【指す】位置や方向を示す
【刺す】尖った物で突き通す、刺激を与える
【挿す】細長い物を中に入れる
【差す】かざす・身につける、現れる、生じる
「指す」「刺す」「挿す」「差す」は、いずれも「さす」と読む異字同訓の語です。
「指す」は、ある位置や方向などを示すという意味です。そこから、抽象的な物事を示す場合にも用いられます。
「刺す」は、尖った物の先端で突き通すという意味です。そこから、感覚・感性に刺激を与えるという意味で用いられることもあります。
「挿す」は、細長い物を何かの中に入れる、間に挟み込むという意味です。
「差す」は、一般的に「さす」という場合に広く用いられます。たとえば、「傘を差す〔=かざす〕」「腰に刀を差す〔=身につける〕」「口紅を差す〔=つける〕」「赤み(かげり)が差す〔=現れる〕」「眠気(嫌気)が差す〔=生じる〕」など。
「西日(影)がさす」「水(油)をさす」「目薬(朱)をさす」なども、「差す」を用いることができますが、それぞれ「射す」「注す」「点す」を用いることもできます。
「指す」の使用例
- (時計の)針が12時を指す
- (磁石の)針が北を指す
- 目的地を指して進む
- 意味を指す
- 将棋を指す
- 指し示す
- 名指し(なざし)
- 物指(差)し(ものさし)
「刺す」の使用例
- 針を刺す
- 蚊に刺される
- 鼻を刺す臭い
- 胸に刺さる
- 串刺し(くしざし)
「挿す」の使用例
- 花瓶に花を挿す
- かんざしを挿す
- 挿し木
- 挿絵(さしえ)
「差す」の使用例
- 傘を差す
- 腰に刀を差す
- 口紅を差す
- 赤み(かげり)が差す
- 眠気(嫌気)が差す
- 西日(影)が差す(射す)
- 水(油)を差す(注す)
- 目薬(朱)を差す(点す)
- 抜き差しならない〔=身動きが取れない〕
- 指差す(ゆびさす)
- 眼差し(まなざし)