「断つ」「絶つ」「裁つ」の意味の違い
【断つ】つながっていたものを切り離す、やめる
【絶つ】続いていたものを終わらせる
【裁つ】布や紙を寸法に合わせて切る
「断つ」「絶つ」「裁つ」は、いずれも「たつ」と読む異字同訓の語です。
「断つ」は、(空間的に)つながっていたものを切り離すという意味です。そこから、比喩的に習慣となっていたものをやめる、縁を切るという意味にも用いられます。
「絶つ」は、(時間的に)続いていたものを途中で切る・終わらせるという意味です。
「断つ」と「絶つ」の使い分けは、視点の違いによるもので、実際にはどちらを用いてもよい場合が多くあります。
一般的には、「断つ」が一時的なことについて用いられるのに対して、「絶つ」は永続的なことについて用いられるという傾向があります。
「裁つ」は、布や紙を寸法に合わせて切るという意味です。単に切る(「断つ」)のではなく、衣服をつくるなどの目的に合わせて切る場合に用いられます。
「断つ」の使用例
- 糸を断つ
- 国交(交際、関係)を断つ(絶つ)
- 退路(補給路)を断つ〔=さえぎる〕
- 酒を断つ
- 思いを断つ
- 縁を断つ(絶つ)
- 快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ)〔=もめ事を見事に解決する〕
「絶つ」の使用例
- 連絡(消息)を絶つ
- 命を絶つ
- 悪を絶つ
- 望みが絶たれる
- 事件が後を絶たない
「裁つ」の使用例
- 生地を裁つ
- 裁ちばさみ