「召す」の意味
召す(めす)
意味:何かを身に受け入れる行為を表す尊敬語
「召す」は、見るの尊敬語「見(め)す」と同じ意味で、見るために呼び出すことから、呼び寄せる・招く・取り寄せるといった意味を表す尊敬語となります。この意味での尊敬語は現在では用いられません。
現在では「取り寄せる」という意味から派生して、「食べる・飲む・着る・買う・入浴する・風邪をひく・乗る」などのように、何かを身に受け入れる行為を広く表す尊敬語として用いられます。
この意味での「召す」は、「お召しになる」や「召される」という形で用いられることがあります。これらは、いわゆる二重敬語ですが、慣用的に用いられています。
「召す」の使用例
「召す」の一つめの用法は、「呼び寄せる」の尊敬語です。現在では、特別な場面以外では用いません。
父が天に召された。
御召しにあずかる。
「召す」の一般的な用法は、「食べる・飲む・着る・買う・入浴する・風邪をひく・乗る・気に入る・歳をとる」などの尊敬語として用いることです。
「お召しになる」という形で用いられることがよくあります。
先生は、お酒を召してからお帰りになりました。〔=飲む〕
すてきな和服を召していらっしゃる。〔=着る〕
お召し物をお預かりいたします。〔=着物〕
花を召しませ。〔=買う〕
おふろにお召しになる。〔=入浴する〕
風邪などを召さぬように、お大事になさってください。〔=風邪をひく〕
帰りは、お車にお召しになりますか。〔=乗る〕
こちらの商品は、お気に召しましたでしょうか。〔=気に入る〕
お歳を召した方もよくいらっしゃいます。〔=歳をとる〕
相手方に行為をしてもらう場合には、「お召しください」という表現を用いることができます。
寒いので、コートをお召しください。
「召す」の類似表現
- お召しになる
- 召される
- 召し上がる〔=「食べる・飲む」の尊敬語〕