「上がる/上げる」「揚がる/揚げる」「挙がる/挙げる」の意味の違い
【上がる/上げる】(一般的)位置・程度が高くなる、終わる
【揚がる/揚げる】空中に浮かぶ、油で調理する
【挙がる/挙げる】はっきり示す、こぞってする、執り行う
「上がる/上げる」「揚がる/揚げる」「挙がる/挙げる」は、いずれもアガル/アゲルと読む異字同訓の語です。
「上がる/上げる」は、位置が高い方に動く、あるいは、程度が高い状態になることを表します。
また、物事が終わることを意味するときもあります。
一般的に「あがる/あげる」という場合には、「上」の漢字を当てることができます。
「揚がる/揚げる」は、空中にふわっと浮かぶさまを表します。
また、油で何かを「あげる」場合には「揚」を当てます。(この意味で「上」を当てることはできません。)
「挙がる/挙げる」は、両手で持ち上げるようにはっきり示すことを表します。
また、「挙げる」は、こぞって(すべてが一緒になって)何かをするという意味や、行事などを執(と)り行うという意味を表すこともあります。
ちなみに、ものの値段が高くなることを表す場合には、「上がる」に代えて「騰(あ)がる」を用いることもできます。
「上がる/上げる」の使用例
《位置・程度が高くなる》
- 階段を上がる/シャッターを上げる
- 成績(地位)が上がる/順位を上げる
- 物価が上がる(騰がる)/値段を引き上げる
- 気分が盛り上がる
- 娘が中学校に上がる
- 成果(利益)が上がる
- 名(腕前)を上げる
- 歓声が上がる/声(悲鳴)を上げる
- 熱を上げる
《終わる》
- 雨が上がる
- バッテリーが上がる
- 出来上がる/仕上げる
- 上がり〔=収益、物事が完了すること〕
「揚がる/揚げる」の使用例
- 花火が揚がる(上がる)
- 旗を揚げる
- 凧揚げ(たこあげ)
- 船荷を揚げる
- 戦地から引き揚げる〔=元の場所へ戻る〕
- 天ぷらを揚げる
- 唐揚げ(からあげ)
「挙がる/挙げる」の使用例
《はっきり示す》
- 手が挙がる
- 候補に挙がる
- 例を挙げる
- 証拠が挙がる/根拠を挙げる
- 得点を挙げる
- 槍玉(やりだま)に挙がる
- 犯人を挙げる
《こぞってする》
- 国を挙げて歓迎する
- 総力(全力)を挙げる
《執り行う》
- 結婚式を挙げる