「寄る」「因る」「拠る」「依る」の意味の違い
【寄る】近づく・集まる・重なる
【因る】原因・理由とする
【拠る】根拠とする
【依る】依存する、関係がある
「寄る」「因る」「拠る」は、いずれも「よる」と読む異字同訓の語です。
「寄る」は、何かに近づくという意味です。そこから、集まる・重なる、一か所に片寄る、目的地へ行く途中で他の場所をたずねる、何かにもたれかかるという意味が派生します。
「因る」は、それを原因・理由とするという意味です。「AによってBする」「AによるB」という場合、「Aを原因としてBという結果になる(こと)」という意味を表します。「由る」とも書きます。
「拠る」は、それを根拠とするという意味です。
「依る」は、ある手段・方法に頼る・依存するという意味です。また、それと関係がある・それ次第であるという意味もあります。
「寄る」の使用例
- そばに寄る
- 大勢で寄って話し合う
- しわが寄る/年が寄る
- 重心が右に寄る
- コンビニに寄る(立ち寄る)
- 椅子(いす)に寄る
- 寄ると触(さわ)ると〔=集まって問題にするたびに〕
- 三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵〔=凡人でも3人集まって話し合えばすばらしい知恵が生まれる〕
- 寄る年波(としなみ)には勝てない〔=老化には誰も抵抗できない〕
- 寄らば大樹の陰(かげ)〔=頼るなら力のある者にかぎる〕
「因る」の使用例
- 不注意に因って(由って)事故を起こす
- 病気に因る(由る)欠勤/労働に因る(由る)収入
「拠る」の使用例
- 前例に拠って処分する
- 調査(報告)に拠ると
- 命令(要請)に拠って〔=従って〕
- 拠って立つ〔=依拠する〕
- 拠り所〔=土台となるもの〕
- 城に拠る〔=立てこもる〕
「依る」の使用例
- 話し合いに依る解決
- 音楽に依る表現
- 仕送りに依る生活
- 努力いかんに依る
- 天気に依る
- 時と場合に依る
- 何事に依らず〔=かかわらず〕