「擦る」「磨る」「擂る」の意味の違い
【擦る】強くこする
【磨る】こすりつけて減らす
【擂る】細かく押しつぶす
「擦る」「磨る」「擂る」は、すべて「する」と読む異字同訓の語です。
「擦る」は、表面に傷がつくほどに強くこすることを意味します。摩擦。そこから転じて、多くの人に接して純真でなくなる、ずるくなるという意味を表すこともあります。
「擦る」に比べて軽くこすることを表すことばとして、「摺る」を用いることがあります。「摺り切り」「摺り足」など。
「磨る」は、こすりつけて少しずつ減らすという意味です。使い果たすという意味で、「摩る」と書くこともあります。
「擂る」は、棒などで押しつぶすようにして細かく砕くという意味です。すりつぶすときにゴロゴロと「雷」のような音がするようすから、この字が当てられます。
「擦る」の使用例
- マッチを擦る
- 膝を擦りむく
- 袖口が擦り切れる
- 股が擦れる
- 擦りつける
- 擦り合わせる
- 擦り切れる
- 擦り抜ける
- 擦り込む
- 擦れ合う
- 擦れ違い
- 擦れ擦れ
- 擦り傷
- 頬擦り(ほおずり)
- 世間擦れ〔=社会で苦労してずる賢くなること〕
- 擦れっ枯らし〔=世間ずれした人〕
「磨る」の使用例
- 墨を磨る
- 大根を磨り下ろす
- 靴底が磨り減る
- 神経を磨り減らす
- 磨りガラス
- 財産を磨る(摩る)/ギャンブルで磨る(摩る)
「擂る」の使用例
- ゴマを擂る
- 擂り(磨り)潰す
- 擂鉢(すりばち)/擂粉木(すりこぎ)